ベートーヴェン:ピアノソナタ 第 14 番 Op.27-2 嬰ハ短調「月光」より第 1 楽章
解説
この作品は、ピアノ・ソナタ第13番とともに、「幻想曲風ソナタ」と呼ばれているものの、実際はこの曲のソナタに向けられた名称となっています。「幻想曲風ソナタ」という名称は、古典的な様式に対して、変則的なものを意味しているはずですが、調性や形式はオーソドックスなものとなっています。別題である《月光》は、ベートヴェンではなく、シューベルトの歌曲の詩を多く書いた、詩人のルートヴィヒ・レルシュタープが案出したものと言われています。
執筆者:宮崎結希