ベートーヴェン:ピアノソナタ 第 8 番ハ短調 Op.13「悲愴」より第3楽章
解説
「悲愴」の名で有名なベートヴェンのピアノ・ソナタ第8番は、1798年から1799年にかけて作曲されました。出版時のタイトルが《チェンバロまたはピアノのための 悲愴的大ソナタ カール・フォン・リヒノフスキー 侯爵に捧ぐ》でした。これは、ベートヴェンにとって非常に意味を持つ調性であるハ短調で書いたソナタの2作目にあたるものです。急ー緩ー急の3楽章からなるソナタの3楽章目は、ロンド楽章で、当初ピアノとヴァイオリン用の作品として計画されていたと言われています。冒頭のロンド主題は、悲愴の1楽章の第2主題(51小節以降、変ホ短調)との近似性がうかがえます。
執筆者:宮崎結希