4級

モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397

解説

この曲は1782年にウィーンで作曲されたと推測されています。1804年の初版は未完成の状態で終わっていますが、2年後に完結した譜面となったと言われています。この幻想曲は共通する動機(モチーフ)が結合した組曲風となっています。1曲目は、和音を分散させて演奏する「アルペジオ」で構成されています。2曲目、34小節目からのプレストは華麗な即興ふうの小カデンツァが付加されています。3曲目はのびのびと晴れやかな楽想となっています。全体を通して、うら寂しさ、不気味さ、晴れやかさといった気まぐれに移ろう情趣を表現した幻想曲となっています。

執筆者:宮崎結希

参考演奏