バッハ:パルティータ第1番 変ロ長調 BWV825 よりプレリュード
解説
ヨハン・セバスチャン・バッハが作曲した、「組曲」を意味するパルティータは、有名な「平均律クラヴィーア曲集」などを含む「クラヴィーア練習曲集」の第一部で、バッハが出版した初めての鍵盤作品です。組曲は、舞曲の特徴を持った楽章がまとめられた形式のことを指します。バッハはアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグという舞曲の組み合わせを主に用いて、随意にメヌエットなどが挿入されています。プレリュードは「前奏曲」のことで、組曲の冒頭に付けられます。パルティータ第一番のプレリュードは1分52秒と簡潔な曲ですが、次第に音域が広がっていく様子はその後続いていく舞曲への橋渡しとして重要な役割を担っています。
執筆者:宮崎結希