3級

ラフマニノフ:前奏曲 嬰ト短調 Op.32-12

解説

この曲は、1910年にラフマニノフがモスクワで作曲した、それぞれが異なった調性で書かれている、《13の前奏曲 作品32》の中の12番目にあたる、嬰ト短調の曲です。右手の早い分散和音の中で、息の長いフレージングの旋律が、豊かに、そして幅広く歌われます。雪でおおわれた大地をソリが鈴を鳴らしながら走る様子を表しているといわれているこの曲は、テンポが劇的に変化するのが特徴で、前奏曲集の中でも、多くの人に親しまれている傑作の一つです。

執筆者:河野百花

参考演奏