1級

ショパン:練習曲 Op.10-12「革命」

解説

1830年11月29日、ロシア帝国の支配下にあったポーランドで、士官学校の学生たちによる革命が勃発します。11月蜂起と呼ばれるこの運動は、間も無く国中に拡大し、愛国の熱狂が巻き起こる中、ポーランドはロシアとの全面的な戦争へと突入していきます。ショパンも旅先のウィーンにて祖国の蜂起を知り、国土回復に大きな期待を寄せていました。しかし、善戦も虚しく、ポーランドは外交的孤立と内政の混乱に見舞われ、1831年9月7日、首都ワルシャワは陥落します。この報に触れたショパンは痛嘆し、絶望と怒りのままにこの作品を書き上げたと言います。その後、ショパンが祖国の地を踏むことはなく、無国籍者として生涯を終えるのでした。

執筆者:山本大地

参考演奏

冒頭譜例