スカルラッティ:ピアノソナタ K.113 L.345 イ長調
解説
スカルラッティの作品には、出版者ロンゴによるL番号と、伝記作家カークパトリックによるK番号の2種類が付されています。L番号は、作曲年代には関係なく、作品の調を基準として通し番号をつけたものであり、そののち、作曲年代順に整理されたものがK番号です。この時、カークパトリックは、いくつかの連続する番号の作品は、2曲ずつセットで演奏されていたという説を提唱しました。この作品も、続くもう1曲と対になるものとして作曲されたと言われています。また、スカルラッティの楽曲には、ユニゾンで終始するものが多く見られますが、この作品は広がるような響きの和音で締めくくられているのも特徴の一つです。
執筆者:山本大地