1級

スクリャービン:ソナタ 第 2 番「幻想ソナタ」Op.19 嬰ト短調より第 1 楽章

解説

20世紀現代音楽の創始者の一人であるロシアの作曲家、アレクサンドル・スクリャービンはピアノの名手としても知られており、多くの美しいピアノ作品を残しました。ピアノ・ソナタは10曲が知られており、この「幻想ソナタ」は完成までに5年の月日が要されたと言います。この5年の間に、スクリャービンの作風はショパン的なものから印象派的なものに一変しており、この変化を作曲者がものにするのに要した時間であるとも言えるでしょう。スクリャービンによれば、この作品は懐かしい海の幻想を表しており、中間部は「宵闇の後に現れる愛撫するような月の光」を表しているようです。

執筆者:山本大地

参考演奏