1級

ラフマニノフ:練習曲「音の絵」より Op.39-5

解説

「音の絵」は、華麗な技巧を盛り込んだ標題的楽曲であるという点で、リストの「超絶技巧練習曲」としばしば比較されますが、ピアノの書法においてはそれを凌駕しているとさえ言われることがあります。また、リストやショパンのそれと同様に、この作品も「練習曲」の範疇をはるかに超えた音楽作品として認識されていると言えるでしょう。さて、「標題的楽曲」であると述べましたが、実際のところ、各曲に題名などはつけられていません。しかし、ラフマニノフ本人が語ったところによると、海とかもめ、赤ずきんと狼、定期市の光景、東洋の行進曲、葬送の列などのイメージが、各曲には存在しているのだそうです。

執筆者:山本大地

参考演奏