ラフマニノフ:前奏曲 ト短調 Op.23-5
解説
モスクワ音楽院を卒業した翌年、ラフマニノフは5曲のピアノ小品を「幻想小品集」として発表します。その中にはプレリュード=前奏曲と題された作品が1曲含まれていました。その10年後、彼は前奏曲を10曲書き上げます。このOp.23-5はその5つ目に当たるものです。そのまた約10年後、さらに13曲の前奏曲を完成させました。つまり、彼は全部で24曲の前奏曲を書いたことになるのですが、これは明らかにショパンの前奏曲集を意識したものだと言えるでしょう。このように、前奏曲を24曲書いた作曲家は、他にドビュッシーやスクリャービンが知られています。ただしラフマニノフの場合、出版社の意向が少なからず反映された結果でもあったようです。
執筆者:山本大地