1級

ドビュッシー:前奏曲 第 2 集より「ヒースの茂る荒れ地」

解説

ドビュッシーの前奏曲第1集は比較的短期間で書き上げられましたが、第2集は実に3年もの期間をかけて完成されています。同時期にドビュッシーはバレエ曲や管弦楽曲など、大作を次々と書き上げていたということもありますが、第1集の焼き直しではいけないという気持ちや、ドビュッシー後期の思考の変化が見られ始めているとも言えるでしょう。ここに前奏曲集は全24曲を持って完成しますが、これはショパンの前奏曲、ひいてはバッハの平均律クラヴィーア曲集の流れを汲むものです。ところで本来ヒースとは、薄い表土と砂ででき、一面が低木(ヒース)に覆われた荒野のことを指し、古くは呪わしく、不毛な場所とされていたようです。

執筆者:山本大地

参考演奏