ドビュッシー:映像 第 1 集より「水の反映」
解説
「映像images」はドビュッシーによる曲集の名前であり、ピアノ用に2つ、管弦楽用に1つ、生前には出版されなかったピアノ用の1つを含めた全4集が知られています。第1集が作曲される2年前、ピアノ曲集「版画」で印象主義的なピアノ書法を確立したドビュッシーは、ついで管弦楽曲「海」を完成させました。情景をあるがままに音楽で表現しようとする彼の試みは、「映像」でさらに強調されることになります。第1集の1曲目を飾る「水の反映」では、繊細な分散和音や流れるようなフレーズで、水面のきらめきが絵画的に、かつ詩的に表現されています。まさに、絵画と詩に続く、音楽の「印象主義」を体現した作品であると言えるでしょう。
執筆者:山本大地