湯山 昭:鬼あられ
解説
この作品の冒頭には、Allegro Scherzandoと指示がありますが、これは、「速く滑稽に」という意味です。この曲には、スタッカートやアクセントが多く用いられているほか、pianoとforteの対比が著しく描かれていることにより、その滑稽さが演出されていると言えるでしょう。また、冒頭のユニゾンは、「悪魔の音程」と呼ばれ忌み嫌われていた増4度音程で構成されており、不吉な印象を与えるこのような不協和音は、作品全体に不気味な緊迫感を与えています。
執筆者:小橋優里