テレマン:ファンタジア ニ長調
解説
この作品の作曲者であるテレマンは、1681年にマグデブルクで生まれた、バロック時代に活躍したドイツの作曲家です。彼は、極めて高い知性と教養を持ち、時代の移り変わりに敏感で、ユーモアや才気に満ちていたため、多くの人々から敬愛されていました。そのため、バッハやヘンデルと同じ時代を生きながらも、当時、彼の人気はこの2人を遥かに凌いでいたとも言われています。Fantasieは、日本語では幻想曲と訳される、形式に囚われず自由に楽想を展開させて作曲されたものです。作品のテーマとなる主題の対位法的な発展が特徴的で、注目すべき点の1つと言えるでしょう。
執筆者:小橋優里