ブラームス:4つの小品 Op.119 より第4番ラプソディ
解説
この四つの小品は、ブラームスのピアノ曲の中でも最後に書かれた作品群であり、生前に出版された曲集では最後のものとなりました。彼はこの頃、ピアノ用の小品集をいくつか作曲しており、それらには旋律形や動機に共通した要素が見られますが、意図されたものであったかは不明です。この「4つの小品」は全体を通して憂いを纏っているようにも聴こえます。このラプソディーは明らかな哀愁や皮肉を帯びた前の3曲に対し、明るく強力な和音で幕を開けますが、終結部で唐突に短調に転じ、悲劇的に締めくくられます。ブラームスの晩年は決して不幸なものではありませんでしたが、彼の皮肉屋で悲観的と言われた性格が表われたのかもしれません。
執筆者:山本大地