5級

メンデルスゾーン:無言歌集 第 6 巻 Op.67-4「紡ぎ歌」

解説

ドイツに生まれたロマン派の作曲家、フェリックス・メンデルスゾーンは幼少期から神童として知られ、38年の短い生涯で多くの作品を残しました。この「無言歌(Lied ohne Worte)」という名称はメンデルスゾーン自身がつけたものであると言われており、歌曲風の旋律と伴奏で構成されています。とはいえ、これらの作品は一定の伴奏の上で旋律を目立たせるという当時の練習曲のスタイルからの影響が大きく、必ずしも「歌曲風」というわけではありませんでした。あたかも紡ぎ車を忙しく回しながら陽気に歌っているようなこの作品ですが、左手の音形がハチの羽音のように聞こえることから「蜜蜂の結婚」とも呼ばれています。

執筆者:山本大地

参考演奏