5級

ショパン:ワルツ Op.64-2 嬰ハ短調

解説

⻘年時代、ショパンが訪問したウィーンではヨハン・シュトラウスによるウィンナ(ウィーン風:ウインナーソーセージも同じ意味です)ワルツが大流行していました。しかし、ショパンはそれにはあまり興味を示さず、結果として彼が舞踏会で踊られるような、すなわち「実用的な」ワルツを書くことはありませんでした。しかし、シューマンが「肉体と心が躍り上がる」と評したように、彼のワルツの魅力は、上品で小気味良く、踊りやすい舞曲という括りとは別のところにあるのです。この作品はショパンの生前に出版された最後の曲の一つであり、彼が愛した舞踊であるマズルカも用いられるなど、ショパンの集大成的なワルツであるとも言えます。

執筆者:山本大地

参考演奏