5級

シューベルト:即興曲 Op.90-4

解説

ベートーヴェン生誕の約30年後、1797年のウィーンにフランツ・シューベルトは生まれました。交響曲を含む管弦楽曲や、室内楽曲でも知られるシューベルトですが、しばしば彼の本領は歌曲などの小品にあると言われます。ピアノ作品においてもそれは同様であり、ベートーヴェンのような緻密な構成のピアノソナタよりも、即興曲などの楽想が赴くままに書かれた作品が、彼が本来得意とするものであったようです。この作品は「4つの即興曲」としてまとめられたうちの4曲目にあたり、物憂げな旋律が次々と転調していく冒頭や、秘めた情熱が溢れ出しそうな中間部に、シューベルトの感性の一端を聴くことができます。

執筆者:山本大地

参考演奏