ショパン:バラード 第 1 番ト短調 Op.23
解説
バラードとは、主にヨーロッパの古い詩を題材とした歌曲を指し、ショパンはこれを器楽曲の名称として用いました。彼は4曲のバラードを書きましたが、これらにはそれぞれ元となる物語があることが、作曲者本人の口から語られたと言います。この作品も、ポーランドの詩人ミッキエヴィッツの「コンラード・ワーレンロッド」という詩を題材としたものとされます。しかし、それは物語の直接的な描写というよりも、物語から受けたインスピレーションをそのまま作品に表したものであったようです。ちなみに、かのシューマンはショパン作品の中で、このバラードが一番好きであったらしく、そのことを告げられたショパンは大いに喜んだと言われています。
執筆者:山本大地