5級

スカルラッティ:ソナタ K.1/L.366 ニ短調

解説

1685年、バッハやヘンデルと同年にナポリに生まれたドメニコ・スカルラッティは、非常に独創的かつ個性的な作曲家であると言われています。彼は555曲にものぼるチェンバロのためのソナタを残していますが、生前に出版されたものはごくわずかでした。そして、今日に至るまで彼の作品が正確な形で出版された例は少なく、日本においてもスカルラッティの名が一般に広く知られているとは言い難いでしょう。しかし、この作品もそうであるように、彼の楽曲には激しい感情の起伏や大胆な書法、新しい演奏技術が豊富に盛り込まれており、チェンバロ、ひいては鍵盤楽器の可能性を広げた一人として重要な作曲家であることは間違いありません。

執筆者:山本大地

参考演奏