グリーグ:ホルベルグ組曲より「前奏曲」 Op.40-1
解説
エドワルド・ハーゲルップ・グリーグは、19世紀中頃から20世紀にかけて、民族主義的な音楽を作曲した国民楽派の作曲家です。生誕地のノルウェーの民族音楽から着想を得て、様々な作品を生み出しました。この作品は、ノルウェーのピアニスト、エリカ・エッセンのために書かれたと言われています。ルートヴィグ・ホルベルグはデンマークで活躍した喜劇作家です。今日では弦楽四重奏としてよく知られていますが、ピアノ版で初めて出版されました。前奏曲は、ロマンティックで泡立つような分散和音の右手が特徴的です。楽章全体に一つの弧を描き、途切れることなく、大きな波を作るようなフレーズ感を意識することが鍵でしょう。
執筆者:宮崎結希